日本家電は絶対的に使いづらいのか?

日本の家電は、世界の家電より使いづらいのでしょうか?

『日本の家電は絶対的に使いづらい』というつぶやきに大きな反響があるようですが、日本のメーカーはダメ企業!みたいな感情的すぎて反論すらできない様相です。
しかも、そもそも「日本の・・・」とひとくくりにするところで、炎上狙いや何かの意図・悪意を感じますが、「日本人なら日本のメーカーを育てようよ」という意見もあっていいはずです。

【使いにくいときは改善を求める】
われわれ専門電器店は、ユーザー目線で(あるときは専門家として、あるときは主婦、あるときは高齢者、あるときはデジタル弱者など変幻自在に)疑問に思った事をフィードバックしています。
直接メーカーへ打診するときもあれば、電機商組合などの団体を通じて物申すときもありますし、NITEや消費者センターなどの公共機関を通じて提案する事もあります。

反応はメーカーによってまちまちですが、問題ありと思ったらすぐに改善を行うメーカーもあれば、形式上伺っておきます的なメーカーもあり、消費者があわせるべきみたいな態度のメーカーもあるのではないでしょうかね?それは、海外メーカーとか、日本のメーカーとかの問題ではないとおもいます。

【機器のデザイン、機能で変わる使いやすさ】
また、メーカー内でも、コンセプトによって使いづらさってまちまちだと思います。
たとえば、掃除機でいえば、サイクロン方式は紙パックのいらない経済性と吸引力を優位性として販売されていますが、サイクロン掃除機が使いやすいということではないと思います。特にサイクロンのように分解して清掃しないといけない掃除機が、手の利かない人、目がよくない人、面倒な人には使いづらいと思います。逆に吸引力と経済性に劣る紙パック式のほうが慣れれば使いやすいかもしれませんし、なによりもホコリアレルギーのような人は、紙パックのほうが安全です。

【いらない高付加価値】
ある意見に、「オーブンレンジなんて、レンジしか使わないから、いろんなボタンとかが邪魔。高機能なんていらない」みたいなことを書いてる人がいましたが、日本のメーカーは、単機能レンジというレンジしか使えない、ボタンの数を極力減らしたレンジもあるんです。オーブンいらない人が、商品の選択を間違っただけではないかと思います。
ただ、テレビという分野でいえば、キレイで音がいい地デジのみの大型4Kテレビなんてのが存在しないことも事実ですが、これは需要と供給のバランスですので、ある程度は仕方ないことではないでしょうか?
スマホは、高機能でもアプリ次第の場合があります。性能のいいスマホでないと、使いたいアプリが動かないなんて事もありますので、いずれ使うかもしれない機能は、将来のための保険ということですよね。

【毎回違うデザイン】
あるメーカーは、AV機器のリモコン操作が、新機種が出るたびに変わることがありました。もちろん、リモコンも毎回フルモデルチェンジです。かたや、極力デザインを変えず、使い勝手もAV機器間で共通だったり、日本語で何のリモコンか大きく書いてあるメーカーもあります。また、ゲーム機とAV機器の操作がほぼ同じというメーカーもあります。各メーカー統一規格というリモコンや操作性がないことも事実です。

こうなると、使うユーザーによって、どのメーカーの、どの機能がついた、そのユーザーにとって使いやすい家電を選ぶのが大事ということになってきます。また、メーカーを統一した方がいい場合、最初の選択がいかに大事かということもあります。

【なぜ日本メーカーを悪者にしたがるのか?】
日本のメーカーが弱体化して大手販売店(量販、通販)の言いなりだったのが、東芝、シャープのように自力で再建できなくなる出来事を機に、大手販売店に「ノー」といえるようになった日本メーカー。
推測ですが、大手販売店は、言いなりにならない日本メーカーに見切りをつけ、言いなりになり競争の少ない海外ブランドメーカーや新興メーカー、プライベートブランドなどにシフトしているのかもしれません。
そうすると、日本メーカーは「絶対的に使いづらい」みたいな言い方でバッシングすることも考えられます。

【考えたい】
十数年以上前に、電化製品の購入が、日本のメーカーでなくて「韓国メーカーが安くていい」という風潮になった時期がありました。結果、国内メーカーは疲弊し、開発部門を韓国メーカーに買い取られ、骨抜きになり、結果的に工場閉鎖、労働者解雇。開発者もヘッドハンティングされ、日本の技術が流出した時期がありました。廻りまわって、韓国製品を買った人がそのため仕事を失い、失業するということもあったのです。もちろん、原因や根本が違うのでしょうが、その時と雰囲気が似ている気がするんですよね。

ただ、個人的には、デザインは海外の方がいいな、って思う製品もあります。しかし、照明器具など、中国のギラギラしたデザインは日本人には好まれないかもしれません。また、ヨーロッパのシャンデリア風照明器具も昭和50年代には流行しましたが、今はほとんど見かけないです。

まとまりが悪いですが、私個人の意見として、
『日本の家電は絶対的に使いづらい』という意見に対して、「絶対的に」はないと主張したいです。


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