亘理へ:その1

先日の亘理でのボランティア参加で感じたことをつれづれなるままに書いてみた。

寒河江から山形自動車道を、大江町のボランティア一同を乗せたバスは一路仙台方面へ向かっていた。山形側のトンネル内のひび割れが痛々しい。笹谷トンネルを抜けて宮城県側に入る。途中、段差が出来ていたり、道がうねっていたりする。川崎を過ぎたあたりから、瓦が落ちた家、道路の亀裂などが見られるようになった。
村田で降り、亘理まで向かう。大江町町長の特命の用紙を渡すことで、災害ボランティアや救援物資輸送の車は無料となる。
村田I.C.の係の人は手慣れているらしく、サッと見てすぐに通してくれた。

村田に入るなり、富士通の工場立つ高台の斜面「Fujits」の植栽が土砂とともに崩れてブルーシートが掛けられていた。向かう道の路肩が崩れ、瓦の落ちた家が増えてきた。車のスピードを緩めなければならないほどの亀裂も多い。下水のマンホールは持ち上がり、土蔵の壁は崩れている。そんな光景に慣れた頃、阿武隈川を渡った。亘理町である。どんよりと低く重い雲が乗っかるグレーの空とまだ緑の少ない枯れた光景のなか、桜と水仙が咲き乱れる光景。妙に印象に残った。
話を聞くと、今が満開の時期らしい。古い旧家を眺め桜の咲く姿を見て、さすがに今年は子どもたちを連れて桜を見に来る気持ちにならないだろうな、とふと思った。

前に何度か通った事のある国道に出た。大きな「馬上かまぼこ」の本店が見えてきた。いつかは寄って「笹かまぼこ」を買いたいと思った店。やはり震災の影響だろうか崩れた箇所を補修中だった。店は営業しているようだったので、なぜかほっと安心した。コンビニも営業している。さすが地震を想定していただけの事はある、震災で全壊になっている家は眼につかなかった。
誰かが言った。
「津波さえなければ、みんな助かったろうに・・・」
心では同意していたが、言葉が出なかった。

亘理町役場に向かう交差点。消防署にたくさんの救急車や消防車が並んでいた。そして桜の木がたなびいていた。
この交差点を降りていけば、本当は「鳥の海」というすばらしい汽水湖があり、鳥たちの楽園になっていた。そして温泉施設もあったのだが、今回の津波で壊滅的な打撃を受けている。バスは左に曲がった。


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  1. 危険を伴いかねないボランティア、本当に頭の下がる想いです。

    一日も早い、経済の建て直しと復興を願っております。

      • カイノ社長
      • 2011年 5月2日

      mikiさん

      近くに住んでいるからこそ出来る支援があります。
      山形は宮城や福島、岩手と繋がっていると感じる事が沢山ありました。
      山形も報道されませんが大変な事が多々あります。ですが、みんな被災地を思うと我慢しようと考えています。
      末永く支援おねがいいたします。

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